漱石の書斎
外国文学へのまなざし 共鳴する孤独
飛ヶ谷美穂子
慶應義塾大学出版会/2017年12月25日発行/四六判/上製本/カバー装/丸背
書籍装本設計 真田幸文堂
慶應義塾大学出版会/2017年12月25日発行/四六判/上製本/カバー装/丸背
集英社/2017年8月8日発行/A4判/上製本(横組)/函装表紙布クロス
集英社の社史です。装幀及び本文組版を担当。函は題簽が特色2色、函背下部の社章が空捺し。表紙は布クロスにつや銀の箔捺しと表4の社章が空捺し。数年にわたって制作に関わった、思い出深い一冊です。
私家版/2017年6月9日発行/A5判/並製本/表紙装
2017年の5月12日にくも膜下出血のため他界された武富さん。75歳。『藻塩草 武富義夫さんのこと』は、多くの方々が出席した武富さんのお別れの会で配布されました。表紙には武富さんが愛用していたシガレットケースを、目次扉には愛用のライターを掲げています。神保町で打ち合わせ帰りに田村書店に寄ると武富さんがご主人と話しこんでいることが多く、こちらが棚を一通り見終えたところを見計らってかいつも珈琲に誘ってくれ、喫茶店(だいたい靖国通りの古瀬戸)で初版本話に花を咲かせました。靖国通りで武富さんを見かることが叶わなくなってしまったことがとても寂しく、白髪のがっしりした体つきの方と靖国通りですれ違うと、今でもつい振り返ってしまいます。
幻戯書房/2016年10月9日発行/四六判/上製本/カバー装/丸背
カバーは特色二色のみのシンプルな造りですがとても気に入っている装幀です。モチーフは短めの羽根。決して大きくない体軀の鳥を想像させて、実体は見せずに存在を、空気感のみを漂わせる。飛び立って落ちた羽根なのか、それとも……。美しいままに抜け落ちた羽根の数々はどのように浮遊し、汚れを纏い、転げていくのか。
幻戯書房/2015年9月25日発行/四六判/並製本/カバー装
装画は小村雪岱。カバーは4色で表面加工はマットPP。帯は2色。
幻戯書房/2013年1月25日発行/四六判/上製本/カバー装/丸背
装幀のほか、カバーの表裏などすべてのイラストレーションも描いています。表紙のイラストレーションもすこしですが一手間かけているので、もし見かけたらカバーを外して見てもらえたら嬉しいです。カバー2色、表紙と帯、飾り扉は1色ですが、予算が少ないというわけではなく、紙の素材感や色味をつかって、色数少なめのこういった雰囲気の装幀がとても好きです。そんなわけでイラストレーションを描くときも2色前提でメリハリをつけて描くことが多いかもしれません。タイトルの文字のきわに手を加えることが多いのですが、イラストレーションがある場合はあまり馴染みすぎないように、アウトライン化したままのシャープなままで使って対比させるように気にかけています。
ちくま文庫/2012年6月10日発行/A6判/並製本/カバー装
つげ義春氏が訪れた温泉で撮影した写真に文章と漫画(一枚絵)をまとめたものです。本文組版も担当しています。編集者との打ち合わせの際に、つげ氏からと温泉の生写真がたしか数百枚入った大きな封筒を渡されました。おそらくそんなに丁寧には保存されていなかったようで、写真は擦り傷が多く、その雑然とした感じがまたよいなぁと思いながら一枚一枚見入っていました。制作の始まりはまずは写真の裏に鉛筆?で書かれた地名を参考にしながら、写真を地域別に分別することでした。結構書かれていないものもあり、担当編集者のAさんと相談しながら確定してゆく作業は中々難儀したようにと覚えています。そういえばこの時は本文の印刷に立ち合っています。
河出文庫/2011年8月20日発行/A6判/並製本/カバー装
『哀史 三陸大津波』に続いて震災関係の本の装幀を手がけました。装幀に使用している写真は手持ちの当時の生写真で、右奥に〈浅草十二階〉が崩れている様子が見えます。
小学館クリエイティブ/2009年12月26日発行/A5判/並製本/カバー装
装幀及び本文頁のデザイン、着色を担当。『性悪猫』『しんきらり』に続く「やまだ紫選集」の3冊目にして完結巻。
小学館クリエイティブ/2009年11月25日発行/A5判/並製本/カバー装
「やまだ紫選集」第2作です。俳人、齋藤愼爾氏による「「しんきらり」は、氏のライフワークになることは間違いあるまい。題名は主婦歌人として活躍している河野裕子氏の「しんきらりと鬼は見たりし菜の花の間に蒼きにんげんの耳」からとったという。」と帯文(帯裏)あり。
小学館クリエイティブ/2009年10月25日発行/A5判/並製本/カバー装
装幀のほか、本文組版も手がけています(漫画部分のぞく)
『性悪猫』はやまだ紫選集の第一冊目として刊行されました。第二冊目、三冊目として『しんきらり』、『ゆらりうす色』が続きます。三冊が刊行された翌年、お祝いをしようということで編集者のKさん、そして中野晴行さんと一緒に、やまだ紫さんのパートナーである白取千夏雄さんを訪ねて京都へ行きました(懐の寂しかったわたしは深夜バスで向かいました。若かった……)。そしてやまだ紫さんと白取さんのお二人がよく通っていたというお店で落ち合い、乾杯をしました。白取さんはやまだ紫さんの笑顔の写真が入った小さなサイズの額をテーブルに立てて、時折視線を送りながら嬉しそうに飲んでいらっしゃいました。その後、確か『性悪猫』の重版が決まったときも今度はKさんと二人で京都へ行き、同じ店でお祝いをしたはずです。長い間闘病されていた白取さんは2017年の3月に亡くなられています。
幻戯書房/2008年3月17日発行/四六判/上製本/ビニールカバー装
透明なプラスチックカバーには風船の色の赤と黄の2色を刷り、透けて見える表紙には空の青とバーコードなどのスミの2色を刷り、重ね合わせています。