About 真田幸文堂n

装幀を生業にしています。 2010年より事務所名を椿Graphicsから真田幸文堂へ変更しました。

2021年11月19日(金)趣味展

早めに起きて仕事を済ませ、書きかけだった『日本古書通信』用の原稿もなんとか仕上げて古通の編集者の樽見さんに送信。9時過ぎに事務所を出て神保町は東京古書会館へ。本日は趣味展。いつも趣味展の日は早めに列んでいるので知らなかったが、遅めに来るとこんなに列んでいるのかという長い長い行列である。

一階で検温と手の消毒を済ませてから階下に降りるとすでに開場になっていた。扶桑書房さんの棚であれこれ。最初に目に入ったのは村松梢風の個人誌『騒人』。この雑誌、小村雪岱が度々表紙絵緒手がけているだけなく、雑誌タイトル文字を雪岱文字で手がけている雪岱とは縁の深い雑誌。また発行元の騒人社からの刊行本の装幀もかなり好い装幀で手がけています。ダブりもあるものの9冊購入。

それと徳田秋聲の『何処まで』(新潮社、大正11年)という本を見つける。誰かが戻したものだろうか。おそらく竹久夢二による装幀であろうこの本、今まで実見したことがなく、結構珍しい気がする。

追記(2021年11月25日):この本について常日頃お世話になっているKさんからわざわざご連絡を頂いて、この本が今まで夢二装であると指摘されたことがないことを知る。時間に余裕が出来たらしっかり調査してみようと思う。

そして今回の趣味展の大金星がこれ。後藤宙外旧蔵の『新著月刊』が2冊! 2冊とも裏表紙が茶紙に替えられていたので始めは悩んだものの、泉鏡花「蛇くひ」収載の号の裏表紙をよく見たら、それが僕も何冊か持っている雑誌『芸術殿』からの茶封筒を流用したものであることに気づき、宛名を見て衝撃を受ける。なんと『新著月刊』編集人である「後藤寅之助」宛! そして、これはと思い見直してみたところ表紙にも裏替表紙にも「宙外文庫」の印を発見する。急いでもう一冊を見てみれば、こちらの裏表紙には「後藤宙外」宛の茶封筒が流用されていた。どちらも昭和8年の封筒なので昭和に入ってからおそらく宙外自身が修復に流用した可能性が高い。近代文学史的にも、編集人旧蔵のしかも改装とはいえ、宛名のある茶封筒で改装されている本は中々重要な資料ではなかろうか。

今日は午後は重要案件があったのでもう少し粘りたかったが、早めに切りあげて丸香へ。寒くなってきたので暖かい丸天が染みる…。古書会館へ戻るも会計の列が長く、会計は明日にして12時には古書会館を後にする。

『おせん──東京朝日新聞夕刊連載版』邦枝完二著・小村雪岱挿絵(真田幸治編、幻戯書房)刊行決定

邦枝完二『おせん 東京朝日新聞夕刊連載版』を小村雪岱の挿絵を全59回分すべて収録し編者として刊行します。新かなを採用し、幻戯書房より10月末刊行予定です。

「おせん」は昭和8年に『東京朝日新聞』及び『大阪朝日新聞』で連載され翌昭和9年1月には文章と挿絵を一部修正、差し替えた形で島源四郎の新小説社より刊行されていますが、本書は当時の疾走感を再現する連載版として刊行します。

雪岱が挿絵画家として邦枝と組んだ新聞連載小説「江戸役者」「おせん」「お伝地獄」「喧嘩鳶」はいずれも雪岱の仕事としてよく知られていますが、邦枝が「朝日へ書いた『おせん』の挿絵の如き特に雪岱氏の代表作ともいふべきもの」と書いている通り、「おせん」の挿絵は大衆に挿絵画家〈小村雪岱〉の存在を知らしめました。

また「江戸役者」から「おせん」の挿絵を手がける過程で雪岱の挿絵画風は一つの完成を見せ、その画風は現在「雪岱調」と名付けられています(当時は「雪岱型」と言われていました)。

邦枝の江戸情緒豊かな時代風俗小説と、髷物の挿絵を得意としその世界を描き出した〈雪岱調〉の挿絵を堪能してもらえたら嬉しいです。(編者 真田幸治)

2021年9月22日(水)神保町

昨日は後期二回目の授業日。いつも楽しみにしている遅い昼ご飯に食する大阪阿部野橋駅の構内の立ち食いうどんだが、残業で駅到着20時着ですでに明かりを落としていたのがとても残念だった……。結局いつもと代わり映えのしないコンビニ飯を食した夜でした。

新幹線で帰京後、たまった雑務をこなしてから夕方に神保町へ。まずは昨日食せ無かったうどんへの渇望を丸香で解消する。一杯目は青唐辛子うどんにかしわ天、おかわりは丸天。大満足。

それから馴染みの古書店に寄り、注文品を確認させてもらう。これはと思いやはり譲って頂くことに。雑談。店内は以前よりも本で埋め尽くされていて、まるで倉庫のようだ。

それから幻戯書房に寄り、田口博さんと打ち合わせ。今回の制作中の本とは直接関係ないが後学の為に『映画美術の情念』(内藤昭著、東 陽一、リトルモア、1992年)をお借りする。版元が90年代に目白に会社を構えていたことを知る。

まだ当分執筆にかかりっきりで更新は少なめです。ご容赦を。

2021年7月27日前期ラスト喜志

台風が東京に上陸するのをかわすようにで朝一で大阪へ向かう。オリンピックのサーフィン競技は前倒しして日程をこなしたようだが、いい波だったのではないか。茅ヶ崎時代も台風がせまってくるとサーファーが押し寄せてきたのを覚えている。

池袋駅構内は警察官の方々が朝からオリンピックの警備で大変そう。暑そうだなぁ。一人、ちょっと台に乗って警備している方がいて、その眺めを見てみたかった。駅構内をドローン視点で見られたらおもしろうだな。

しかし暑い……。キャンパスは蝉の鳴き声がこれでもか!という勢いで降りかかってきていましたよ。

大阪阿部野橋駅のいつもの立ち食いでは今日は山菜ソバを注文。安くて美味いは素晴らしい。

2021年7月26日資料見つかる

連休中に見つからなかった原稿に必要な資料がようやく見つかる!間に合った……。来月の『日本古書通信』の小村雪岱についての連載は表紙絵をちょっとお休みして、異なるテーマで数回連載します。まだまだ書いておきたいことはたくさんあります。

しかし、大阪に行く前に終わらせておきたかった仕事がうまく着地できず。連絡だけでもメールを深夜まで書いてから仕度を済ませる。

2021年7月25日 日曜日

原稿を書きつつ、仕事をこなす。四連休だったようだがいつもと変わらない感じか。電話があまりかかってこないので落ち着くといえば落ち着く。しかし、油断すると部屋の中さえも茹だっているようで空気を入れ換えて冷房もちょっと強めにして過ごす。夏だなぁ。

今日も少し時間をとって資料を探すが見つからず。

2021年7月13日(火)

朝一の新幹線で大阪へ。乗り換え、乗り換えで喜志に到着。暑い……。

夜は変わらずデパ地下で買ったお弁当やおつまみをホテルに持ち込み部屋で食事。しかしいつも思うのは安い。高くて美味しいものもあるのだけど、安いものが多い印象。

2021年7月12日(月)

ラフの作成や修正などをしつつ、西武にちょっと贈り物の手配をしに行き、その後、ジュンク堂に寄り、Twitterで見かけた『MOGA モダンガール──クラブ化粧品・プラトン社のデザイン』(青幻舎)を探すも棚には見当たらず。hontoには在庫があるも池袋の検索ではひっかからなかった。水曜日以降の購入になりそう。『波』などを頂戴してから事務所に戻る。

装幀案、修正箇所の件で勘違いが……。改めて修正してから六花書林の宇田川さんと電話で打ち合わせ。それから礼状を書いて最終に間に合うように投函。

資料部屋を片づけているが、必要な本が見つからない。

2021年7月11日(日)

論文集を地道に書いている。そうまだ書いているのです……。本当にごめんなさい。

Twitterで装幀家の桂川潤さんが今月の5日に亡くなられていたことを知る。面識はないのですが日比谷図書文化館での〈複製芸術家小村雪岱〉展にお越し頂けたのは嬉しかったです。行年62歳。あまりにも、あまりにもお若い。つい先日まで色々とツイートされていたのでどうにも信じられない。