高円寺で打ち合わせとBOOK & A(西部古書会館)

2022年11月10日の木曜日はお昼過ぎに打ち合わせをしに高円寺へ。なぜ高円寺かというと、これ、素晴らしいことに西部古書会館で本日から開催の古書即売展〈BOOK & A〉(木曜日が初日というちょっとスケジュールが変わった即売会)に合わせて本の雑誌社の編集者の前田くんが岡崎武志さんとの打ち合わせを組んでくれたのです。高円寺に着いたもののまだ打ち合わせまでに余裕があったので5分だけ会場を覗いてから高円寺茶房へ。前田くんとは先日ミロンガで顔合わせ済みだが、岡崎さんとはコロナ禍もあって実際にお目にかかるのはかなり久しぶりな気がする。そんな話や、〈BOOK & A〉の会場での収穫を披露してもらうなど古本話に花を咲かせてから打ち合わせに。よい本に仕上げますね。

さて、打ち合わせを終えた後は岡崎さんと別れ、じっくりと棚を見るために〈BOOK & A〉の会場へ。ここで小村雪岱的にちょっと嬉しい一冊を発見。珍しく外の本をじっくり見ていると、雪岱文字に眼が引き寄せられる。手に取ったのは谷崎潤一郎『潤一郎傑作全集』第三巻(春陽堂、大正13年、八版)。初版時は羽二重装だが、震災後の重版はクロス装に変わったようだ。函欠の裸本とはいえやはり雪岱本を見つけるのは嬉しい。室内では昭和15年の『演藝と映画』を二冊購入。いずれも小村雪岱が舞台装置を手がけた演目、「羽根の禿」の菊五郎などの写真が掲載さている。

新宿まで前田くんといろいろ話しながら池袋へ。前田くん、歳が離れてるのに妙に話が合うのはやはり古本者だからか。それだけではない気がするんだよなぁ。

後で写真を整理したら間違えてボタンを押してしまったのか、覚えの無い写真があった。

2021年11月19日(金)趣味展

早めに起きて仕事を済ませ、書きかけだった『日本古書通信』用の原稿もなんとか仕上げて古通の編集者の樽見さんに送信。9時過ぎに事務所を出て神保町は東京古書会館へ。本日は趣味展。いつも趣味展の日は早めに列んでいるので知らなかったが、遅めに来るとこんなに列んでいるのかという長い長い行列である。

一階で検温と手の消毒を済ませてから階下に降りるとすでに開場になっていた。扶桑書房さんの棚であれこれ。最初に目に入ったのは村松梢風の個人誌『騒人』。この雑誌、小村雪岱が度々表紙絵緒手がけているだけなく、雑誌タイトル文字を雪岱文字で手がけている雪岱とは縁の深い雑誌。また発行元の騒人社からの刊行本の装幀もかなり好い装幀で手がけています。ダブりもあるものの9冊購入。

それと徳田秋聲の『何処まで』(新潮社、大正11年)という本を見つける。誰かが戻したものだろうか。おそらく竹久夢二による装幀であろうこの本、今まで実見したことがなく、結構珍しい気がする。

追記(2021年11月25日):この本について常日頃お世話になっているKさんからわざわざご連絡を頂いて、この本が今まで夢二装であると指摘されたことがないことを知る。時間に余裕が出来たらしっかり調査してみようと思う。

そして今回の趣味展の大金星がこれ。後藤宙外旧蔵の『新著月刊』が2冊! 2冊とも裏表紙が茶紙に替えられていたので始めは悩んだものの、泉鏡花「蛇くひ」収載の号の裏表紙をよく見たら、それが僕も何冊か持っている雑誌『芸術殿』からの茶封筒を流用したものであることに気づき、宛名を見て衝撃を受ける。なんと『新著月刊』編集人である「後藤寅之助」宛! そして、これはと思い見直してみたところ表紙にも裏替表紙にも「宙外文庫」の印を発見する。急いでもう一冊を見てみれば、こちらの裏表紙には「後藤宙外」宛の茶封筒が流用されていた。どちらも昭和8年の封筒なので昭和に入ってからおそらく宙外自身が修復に流用した可能性が高い。近代文学史的にも、編集人旧蔵のしかも改装とはいえ、宛名のある茶封筒で改装されている本は中々重要な資料ではなかろうか。

今日は午後は重要案件があったのでもう少し粘りたかったが、早めに切りあげて丸香へ。寒くなってきたので暖かい丸天が染みる…。古書会館へ戻るも会計の列が長く、会計は明日にして12時には古書会館を後にする。

2021年9月22日(水)神保町

昨日は後期二回目の授業日。いつも楽しみにしている遅い昼ご飯に食する大阪阿部野橋駅の構内の立ち食いうどんだが、残業で駅到着20時着ですでに明かりを落としていたのがとても残念だった……。結局いつもと代わり映えのしないコンビニ飯を食した夜でした。

新幹線で帰京後、たまった雑務をこなしてから夕方に神保町へ。まずは昨日食せ無かったうどんへの渇望を丸香で解消する。一杯目は青唐辛子うどんにかしわ天、おかわりは丸天。大満足。

それから馴染みの古書店に寄り、注文品を確認させてもらう。これはと思いやはり譲って頂くことに。雑談。店内は以前よりも本で埋め尽くされていて、まるで倉庫のようだ。

それから幻戯書房に寄り、田口博さんと打ち合わせ。今回の制作中の本とは直接関係ないが後学の為に『映画美術の情念』(内藤昭著、東 陽一、リトルモア、1992年)をお借りする。版元が90年代に目白に会社を構えていたことを知る。

まだ当分執筆にかかりっきりで更新は少なめです。ご容赦を。

2021年7月10日(土)

装幀のラフ案を制作。うまく着地できず、夕方に切りあげる。

16時に事務所を出て神保町へ。まず魚山堂書店に行き、自家目録の注文品を受け取りつつ雑談。それから日本書房へ向かい、こちらも自家目録の注文品を受け取る。他は寄らずに池袋に戻る。

古書往来座で瀬戸君と話しているときに栃折久美子氏が6月25日に他界されたことを知る。行年92歳とのこと。

2021年7月9日(金)愛書会

本日の東京古書会館は愛書会。開場の10時に少し遅れて入場。やすだ書店で資料を念入りに見ていると、美術雑誌に小村雪岱舞台装置の批評文、河野通勢による「『短夜』の舞台装置」を発見!目次のタイトルを見ただけで雪岱記事だと分かった自分を褒めてあげたい。この演目、雑誌で雪岱装置である事を発見、その後二折りの冊子も見つけ、確認済みだったので、すぐに気づくことができた。

発見した小村雪岱についての文章が掲載されていたのが『美之国』昭和2年5月号。目次だけ見てもまったくわからないが、脳内小村雪岱データベースに引っかかって、これは!と該当頁を開くとビンゴ!

タイトル横に「久保田万太郎作並演出」「小村雪岱舞台装置」とあり、「小村雪岱□んは……」とする書き出しで雪岱の仕事ぶりにせまっている。当時文藝春秋社が経営に参画していた新劇協会公演の「短夜」は帝国ホテル演芸場で昭和2年の4月15日から24日まで開演され、新劇主演女優の伊澤蘭奢も出演。

ちなみにこの小村雪岱舞台装置、久保田万太郎原作の「短夜」は「小村雪岱舞台装置年表」(『故小村雪岱氏遺作展』美術新協、昭15))を初めとして、あらゆる雪岱の舞台装置仕事リストにも収録されていない演目です。

丸香で丸天の暖かいかけとかしわ天を注文。完食したが、ちょっと不調でいつものように堪能できなかった。古書会館で会計して池袋へ。仕事をこなす。

2021年7月8日(木)

税務署に行って書類の提出。完璧。帰りにモスバーガーに寄ってコーヒーを飲みながら出がけに届いていた本を読む。メルカリで購入して、二週間後に到着。なんだったんだ……。福しんでラーメンを食べて帰ったが今日の福しんはイマイチだった。飲んでから食べるとあんなに輝いているのに。

2021年7月7日(水)西口のえるびすが閉店していた

朝5時代にホテルをチェックアウトして新大阪へ。構内のドトールで朝食。池袋についてベローチェで読書して一休み。もっと体力をつけねば。事務所に戻って雑務をこなすも間に合わず。その後用事で税務署へ。帰りに〈えるびす〉をキメようと寄ってみるもなんと6 月末で閉店とのこと……。20年前、まだ20代の時に出会った時代の最先端のよう思えた新しいスタイルのラーメンだった。

六花書林の宇田川さんに電話でお話ししたり。夕方にいつもの整骨院へ。テーピングをしてもらって動きは少し楽になった。見忘れてていた郵便受けを見たら、日本書房から古書目録が届いていた。18時を過ぎていたが一応電話を入れてみたところ、出て頂けたので注文を済ませる。

おそらくあと一週間でブログの一ヶ月毎日更新を達成できる。ツイートを流用しつつ無理せず更新したいところ。

7月5日(月)大正時代から続く資生堂の包装紙

1990年に続いて2015年の資生堂パーラーのパッケージリニューアルを手がけたのは仲條正義氏ですが、そのリニューアルパッケージのうちの一つの〈包装紙〉は大正13年に資生堂意匠部の唯一の創立部員である矢部季によるデザインが踏襲されています。(意匠部には小村雪岱も大正12年まで在籍しています)

またこの包装紙で採用されているデザインは、Aubrey Beardsleyが装幀を手がけたBen Jonson『Volpone』(1898年)の装幀で使用された文様の形を引用したデザインとなっています。

包装紙のデザインは後に後の意匠部部員の沢令花や山名文夫を初めとした意匠部のデザイナー達、そして仲條正義氏により手が加えられ、現代に続いています。

また、この包装紙のデザインは実は矢部は大正8年に装幀を手がけた北原白秋『白秋小唄集』(アルス)で既にこのデザインを採用している事を、拙稿「「資生堂書体」とその源流としての「雪岱文字」」(タイポグラフィ学会、2017年)で指摘しています。矢部季はデザイナーとしてだけでなく、詩人としても活躍しており北原白秋の近くにいた人物でもありました。白秋の著著に度々関わっていることも合わせて、拙稿で指摘しています。

ちなみに『白秋小唄集』は、白秋の弟、北原鐵雄の出版社〈アルス〉から刊行されています。とてもかわいらしい小型本です。

7月3日(土)七夕古書大入札会2021

お昼過ぎまで入稿データの作成。一区切りついてから、神保町へ。七夕古書大入札会。じっくり見たのはまず山名文夫と山六郎のドローイングや原稿、書籍のセット「山名文夫・山六郎 関連資料」。おそらく、山六郎の肉筆メインだろうと想像していたが予想通りで山名は本と原稿のみ。山の肉筆の出所もおそらく……。あと肉筆が戦後のものだったのは中々厳しい。

それからカネボウ関係者による「博報堂・山名文夫宣材資料写真 他」はちょっとおもしろい資料があったが、ここらへんはペラで5000円以下で欲しいかな。一時間ほどで切りあげて、事務所で少し休んでから大塚へ。データをお渡ししてからひさしぶりに駅前の二階の焼き鳥へ。疲れていたのでお酒は一杯目のビールのみにして、お茶を飲み続ける。コロナ禍のせいで体力が減っている気がする。