「藤田嗣治 本のしごと──文字を装う絵の世界」へ

IMG_5618

今日(5月5日)は目黒美術館の「藤田嗣治 本のしごと──文字を装う絵の世界」へ。コンパクトな展示を想像していたけど、かなり充実している内容で驚く。日本や、藤田が留学していたフランスなどで刊行された、藤田が関わった本がもうそれはたくさん展示してあって、戦前の日本で手がけた雑誌の表紙絵(「ホーム・ライフ」)や、岡本かの子の『わが最終歌集』といった装幀本なんかは持っていたりするけれども、洋書はさすがに一冊も持っておらず眼福でした。本好きにはたまらない内容なのでこれは色々な人に薦めることになりそう。また、本だけでなく、絵葉書もかなりの枚数展示してあって、これらがとてもよい感じ。画家の絵葉書というのはなんとまぁ魅力的なんだろうと。きっと小村雪岱の絵葉書なんかもたくさんあるのだろうけど、こうしてまとまって収蔵、もしくは記録されていないのが残念だなぁと。(ちなみに雪岱の絵葉書は学生時代の同級生宛の絵葉書を一枚だけ持っています。)

一時間ぐらいで見終わるかと考えていたけれども、展示品の本や絵葉書などがかなり点数なので、絵葉書などを熟読するなら、最低でも三時間ぐらい必要じゃないだろうか。館員の方に聞いたところ、この展覧会自体は巡回するけれども、その館ごとに展示内容が少し変わるらしく、絵葉書などはこの美術館のみの展示?らしいので、せっかく実物を見れるのなら気合いを入れて現場で読みたいじゃないか! そして図録もとても充実!購入した図録を読み込んで、藤田のビブリオ世界を改めて堪能する予定です。

ちなみに東京都庭園美術館で開催中の「鹿島茂コレクション フランス絵本の世界」も見たかったけれども、藤田の展覧会が想像以上に時間をかけることになったので日を改めることに。こちらでは同時開催中の「旧朝香宮邸物語」の建物公開が写真撮影OKなので、それも結構楽しみにしている。それとここはカフェに行くのも楽しみなところ。美術館や記念館のカフェはちょっとお高くても寄っていきたいところが多い。あと目黒に来た時の楽しみの喫茶店は残念ながら本日お休み。これは次回再訪したときに寄ることにしよう。「ウエスト」がなくなってしまったのは残念だなぁ。


IMG_5620

IMG_5619

美術館の手前の目黒川を橋の上から。

IMG_5616

目黒は高低差があるので急な階段が多くて楽しいです。雑司が谷や目白もこんな感じだなと。

IMG_5622

帰りにいつも寄っている喫茶店に向かうも今日はお休みだったようで、「維新」というお店でラーメンを食べてから帰宅。澄んだスープがとても美味しい。連休中だからわからないけれどもすんなり入れたけれども、券売機に書かれている説明を読むと行列の仕方が書いてあったので平日は結構な人気なのかもしれない。

1月13日(金)古書即売会始めは愛書会

先週の書友会は仕事でどうにも行けず、愛書会が今年初めての古書即売会に。注文品は無し。資料用に雑誌を五冊ほど購入。ふと手にとった一冊にこの一年調査している人の作品を発見したのは嬉しかったし、残りの四冊のうちの二冊には小村雪岱の正確な年譜制作に役に立つ記事がそれぞれ掲載されていた。一時間半ほど会場を見てから、古書会館の奥にあるVoici CafeでH社さんと打ち合わせ。ちなみに初顔合わせ。色々とお話し。その後、もう一件の打ち合わせへ向かう途中に田村書店を覗くと、「おっ」と思わず声がでてしまう珍しい叢書の一冊を発見し、購入してしまう。

事務所で一仕事済ませてから夕方に中目黒へ。金沢での会社員時代の先輩と新年会。12月はどうしても時間が折り合わず、新年会になった次第。編集者の奥さんは後から合流とのことでとりあえずは二人で乾杯をする。牛タンやおでん、唐揚げっぽくないスライスされた上品な唐揚げなど、注文したものが全て美味しかった。こんなに美味しいのに店を見渡すと席が空いているなと思っていたのだけど、全て予約で埋まっていたらしく飛び込みのお客さんは全て断っていた。気づけば満席。二軒目は奥さんも合流。副都心線で一本で池袋に帰れるのは嬉しい。

IMG_3941

遅ればせながら打ち上げ そして五反田古書展

朝一で五反田古書展に行くつもりが区切りがつかず事務所で仕事。結局そのままで午後半ばに神保町に打ち合わせへ。打ち合わせ後、ミロンガで一服。その後五反田へ。閉場間際の南部古書会館。五反田は朝一か、神保町での即売会をチェックした後のお昼ぐらいにはいつも行っているので、冬のこの暗がりの中を古書会館に向かうのはもしかしたら初めてのことかも。資料系の雑誌を四冊ほど購入。最後の客になってしまう。800円也。

『花森安治装釘集成』を購入して帰宅。11月に満を持して刊行。予告から購入するつもりではあったけれども仕事に追われていつのまにか一月も経っていた。

ちなみに同じタイミング(11月刊行)で『花森安治の従軍手帖』(幻戯書房)の装幀をしています。こちらは日を改めて紹介しようかなと。

ギュウギュウ詰めの山手線を新宿で降りて総武線で阿佐ヶ谷に。今晩は10月に刊行されて装幀と本文デザインを手がけた小山力也さんの『古本屋ツアー・イン・京阪神』の打ち上げ。18時55分待ち合わせ。けれども待ち合わせ場所には誰もおらず、ちょっと待っていると編集者の宮里君が登場。小山さんは急な仕事がはいったとのことで、二人で小山さんの制作日記でも書かれている居酒屋「駒忠」へ。とりあえずは二人で乾杯。少し遅れて小山さん、宴半ばに校正をしてくれた田中さんが到着。気づけば22時半。楽しい時間でした。帰りも山手線は満員で池袋まで我慢できず目白で下車。仕事の資料や即売会で購入した本を忘れないようにしながら千鳥足で帰宅。

img_3819

二回目の古書目録

先月末、扶桑書房の速報が郵便受けにはいっていた。驚いた。なぜって、11月半ばに既に一度届いていたのに、二週間も経たないうちにふたたび届いたのだから。扶桑書房はここ数年「速報」として毎月目録をだしているけど、薄手とはいえ内容は毎回充実、しかも懐に優しい値付け。ありがたい。注文品は無事落手。12月にも古書目録はでるとのこと。見習って働きたい。

即売会の方は「書窓会」で落ち着いたと思ったけれども今月はまだ「五反田古書展」「新宿展」「ぐろりや会」があった。まだまだ今年は終わらない。

先日の書窓会の初日、ふと手にした雑誌がかなり貴重なものだった。今まで不明な部分が多い時代のことを本人がしっかりと書いていた。確認したところ、やはりあらゆるデータベースにも登録されておらず、こういった資料は結局は足で稼ぐしかないのだなと改めて思う。

原稿がようやく書き終わりそうだが、入稿ラッシュで最後の〆が出来ない。

『タイポグラフィ学会誌08号・09号』論文発表会 2016年11月23日

既に2週間近くたってしまったが、11月23日(水・祝)にタイポグラフィ学会主催の『タイポグラフィ学会誌08号・09号』論文発表会(場所:東洋美術学校D棟学生ホール)にて論文の発表で講演をした。
昨年の学会誌『タイポグラフィ学会誌08』にて発表した論文「雪岱文字」の誕生──春陽堂版『鏡花全集』のタイポグラフィ」を元にしたもの。
学会誌では取り上げるられなかった手持ちの資料を色々展示したので、多少は楽しんでもらえたかなと。
個人的には資生堂書体関係者の方にいらして頂き、お話しできたのは嬉しかった。

●要旨
装幀家、挿絵画家などとして再評価が著しい小村雪岱であるが、その評価は主に泉鏡花の著書、「鏡花本」の装幀によるところが大きい。その雪岱の装幀において、雪岱独自の文字「雪岱文字」が実は大きな役割を担っていたという事実は知られていない。
 また、「雪岱文字」は雪岱が大正期に在籍していた資生堂の和文ロゴタイプの成立にもは大きく寄与している。そして春陽堂版『鏡花全集』の函の装幀において主要な構成要素として採用され一つの完成を見ることになる。今まで論じられることの なかった「雪岱文字」が、どのように誕生し、展開されていったのかを考察する。

2月5日(金)古書会館は書窓会

早朝から仕事をサクサクと済ませて10時過ぎに神保町は古書会館着。書窓会でした。戦前の雑誌を、というかほとんど戦前のものしか買わないが、数冊購入。お昼には事務所に戻ってまた仕事。そしてまた神保町に出る。今度は打ち合わせ。一時間ほどで終わったので田村書店を覗いてから(ご主人の姿は見えなかった)、また古書会館へ……。補充がしてあったので数冊購入。近くにいた友人と合流してお茶と食事をして帰宅した。秋葉原は来る度に子供のころに来た時とまったく違う姿に変貌していくので、いつ来ても不思議な気持ち。

夜の古本まつり

今年も古本まつりが終わってしまった。例年よりも一週間前倒しして始まった古本まつりは素晴らしいことに雨にほとんど降られることがなく、古本まつりも終わりの週末に行われたブックフェスティバルも両日とも行われたのはここ数年なかったのでは? 装幀をよくやらせてもらっている幻戯書房も出店していたが、イベント会場と近かったので少々大変だったろう。何冊か購入。国書刊行会の出店で、五十殿利治『「帝国」と美術 一九三〇年代日本の対外美術戦略』を購入できたのは嬉しかった。ジュンク堂で何回か手にとったが懐事情を考えると逡巡してしまい、いつも諦めていた一冊。靖国通りの露天で出店していた親しい古書店主と話していたところ、さすがに一日ぐらいは雨で休みたかったと(笑)確かに10日間連続で一人働き続けるのは疲れがでてしまうだろうな。最終日に話しかけたら本当にぐったりしていた。おつかれさまです。夜の照明をつけた露天が好きなので写真を何枚か撮ったのをアップする。

10月28日の靖国通りの露天の古書店。神保町交差点から駿河台下に向かって。1

10月28日の靖国通りの露天の古書店。神保町交差点から駿河台下に向かって。2

10月31日のすずらん通りのブックフェスティバル。

10月23日(金)特選古書即売展

今日の東京古書会館の即売会は特選古書即売展。年に一度の古本のお祭り「東京名物神田古本まつり」の口火を切る即売会でもある(ちなみに「東京名物神田古本まつり」は今年で56回目とのこと)。毎年、早めに入口の行列に列ぶも今年は少しゆったり八時半に家をでた。とはいえまだ行列は10人に満たなかったけれども。目録注文品の二冊のうちの泉鏡花『袖垣』は無事当選。函付はほとんど見ることの叶わない一冊。本冊はどうも開いたことのない雰囲気でピンピンの状態。もう一冊は残念ながらハズレ。昼過ぎに五反田の古書会館でおこなわれている「本の散歩展」へ移動。小村雪岱の挿絵の間接的資料となりそうなものを購入。

泉鏡花の大正期の単行本『袖垣』。大正3年に誠文堂から刊行。収録作品は「銀短冊」と「若杜」。装幀者は不明。

10月18日(日)「月映」東京ステーションギャラリー

トークショーの前日の夕方、思い立って東京駅へ。東京ステーションギャラリーで行われている展覧会「月映」へ。ちなみに「つくはえ」と読む。田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎らによる雑誌『月映』を中心とした展示で、特に私家版『月映』などが興味深い。じっくりと見ていたら二時間たっても半分も見ることができず、閉館時間を気にしながら最後は流すように見終えた。充実した展示内容を堪能する為にももう一度この展覧会に来たいと思う。

図録の表紙。

池袋に戻って、西武の地下から地上に上がろうとするとどうも外から賑やかな祭り囃子が。「月映」展のことで頭がいっぱいだったけれども、今日がちょうど御会式の一番盛り上がる三日目の最終日であることに気づく。家に向けて明治通りを歩いていると、万燈を掲げて練り歩く行列と並んで進むことに。初めて見た時は纒の振り姿に見とれたものだけど、今は万燈のゆったりした雰囲気にも惹かれるようになった。

10月19日(月)トークショー

仕事に区切りをつけて神保町へ。岡崎武志さんと小山力也さんののトークショーが行われている東京堂へ。岡崎さんの『気まぐれ古本さんぽ』(工作舎)と小山さんの『古本屋ツアー・イン・首都圏沿線』(本の雑誌社)の発売を記念してのもの。小山さんの本の装幀と本文をやらせてもらったので今日は招待枠でお邪魔する。会場は6階。開始から20分ほど遅れて着席。会場はほぼ満席だ。しかし、まぁ、とにかく岡崎さんのトークが上手い。最近、自分が論文の発表で人前で喋る経験をしたせいか、そのすごさが以前よりもかなりわかるようになった。ちょっとした時に差し込んでくる本筋以外のネタも良い感じ。小山さんも自分では「全然ですよ〜」と言っていたけれども、とても自然なトーク。上手いものだなー。会場では見知った編集者さんが何人かいらして挨拶。打ち上げは近所の地下の中華へ。仕事のことを気にしつつだったので、ソフトドリンクをはさみながら三杯ほど頂いて帰宅。ちなみに小山さんは『古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」の他に、原書房から『古本屋ツアー・イン・ジャパン それから』も刊行します。会場でも小山さんが言っていましたが「一月に古本本が三冊でる奇跡」よ。笑いの絶えないなごやかなトークショーでした。

画像はトークショー会場にて先行販売していた『気まぐれ古本さんぽ』に岡崎さんにサインを入れて頂いたところ、似顔絵を表紙に描いてくれた。嬉しいなぁ。岡崎さんのイラストは玄人はだしのレベルだと改めて思う。ちなみに装幀をした『古本屋ツアー・イン・首都圏沿線」は会場で販売しているにもかかわらず、まだ見本を手にとっていない不思議な状態。装幀家より読者が先に手にとってるよ、Mくん!おーい。待ってるよー。