About 真田幸文堂n

装幀を生業にしています。 2010年より事務所名を椿Graphicsから真田幸文堂へ変更しました。

『タイポグラフィ学会誌08号・09号』論文発表会 2016年11月23日

既に2週間近くたってしまったが、11月23日(水・祝)にタイポグラフィ学会主催の『タイポグラフィ学会誌08号・09号』論文発表会(場所:東洋美術学校D棟学生ホール)にて論文の発表で講演をした。
昨年の学会誌『タイポグラフィ学会誌08』にて発表した論文「雪岱文字」の誕生──春陽堂版『鏡花全集』のタイポグラフィ」を元にしたもの。
学会誌では取り上げるられなかった手持ちの資料を色々展示したので、多少は楽しんでもらえたかなと。
個人的には資生堂書体関係者の方にいらして頂き、お話しできたのは嬉しかった。

●要旨
装幀家、挿絵画家などとして再評価が著しい小村雪岱であるが、その評価は主に泉鏡花の著書、「鏡花本」の装幀によるところが大きい。その雪岱の装幀において、雪岱独自の文字「雪岱文字」が実は大きな役割を担っていたという事実は知られていない。
 また、「雪岱文字」は雪岱が大正期に在籍していた資生堂の和文ロゴタイプの成立にもは大きく寄与している。そして春陽堂版『鏡花全集』の函の装幀において主要な構成要素として採用され一つの完成を見ることになる。今まで論じられることの なかった「雪岱文字」が、どのように誕生し、展開されていったのかを考察する。

サラマ・プレス倶楽部 忘年会 2016

昨日、12月3日(土)は四ツ谷でサラマ・プレス倶楽部(6月までアダナ・プレス倶楽部)の忘年会でした。
諸用で閉場間際の書窓会は東京古書会館に寄った後に中央線の快速に乗って四ツ谷へ。去年の忘年会と同じ場所だったので道に迷うことなく無事到着。去年と違う路を通って向かっていたら、知らなかったラーメン店を発見して心のメモをする。
会場では大石さんの指揮の下、忘年会のメインの蒸し餃子のための皮を皆でつくる(サラマ/プレス倶楽部の忘年会では餃子を皆で皮から作るのが恒例)。出来上がりを実際に口に運んでみると、やはりというか、手作りの餃子の美味しい。皆で作る楽しさが表れるのが、皮が厚かったり、薄かったり、それぞれの餃子がばらばらだったりすること。皮作りは個性がでる。
「Viva la 活版」の鹿児島、新潟、長崎?のスライドを流しながら、活版のことやタイポグラフィのこと、「Viva la 活版」で訪れた土地の話に花を咲かせた。
忘年会終了後、朗文堂に寄って片塩二朗先生にお話しを伺ったりしている内に、終電時間も過ぎ結局朝方に帰宅。

六花書林10.5周年対談イベント「六花書林の10年」

六花書林10.5周年イベント、「六花書林の10年」をテーマにした宇田川寛之氏(六花書林代表)と僕、真田幸治の公開対談が無事終了しました(昨日(3月19日)の土曜日)。対談をおこなった場所は友人二人が経営している神保町の古書店「古書いろどり」。始まる前はどのぐらい来てくれるか見当も付かなかったのだけれど、二時間前ぐらいからちらほらとイベント参加者が顔を出し始めてくれて、開始時間の18時半にはスペース一杯になり少し奥に詰めてもらうまでに。

遠方からいらしてくれた方もいて、六花書林の本作りに関心を抱いている人たちがこんなにいてくれたのだなーと感慨深かったです。俳人の宮崎斗士さん(六花書林から『翌朝回路』『そんな青』)や、歌人の本多稜さん(『游子』)、森本平さん(『町田コーリング』)、内山晶太さん(『窓、その他』)といった六花書林から本をだしている人たちが忙しい中、来てくれたのも嬉しかった。

対談では、宇田川さんが創業するまでの経緯や、また僕が六花書林の装幀を一手に引き受けることになった流れなども話し(ちなみに対談場所の店の主の一人、歌人の花笠海月さんは宇田川さんと僕を繋げてくれた人です)、そしてあらかじめ用意しておいた資料を元に、六花書林創業からの刊行本の中から選んだ10冊を刊行年順に挙げながら、制作している中でおこった出来事や感想、思い、色々と話しました。六花書林の装幀の流れの中ではちょっと違った、やわらかい装幀の『パン屋のパンセ』『食卓の音楽』といった杉崎恒夫さんの歌集二冊は僕にとっても色々と思い出深い本で、『パン屋のパンセ』はなんとただいま六刷です。普段歌にふれていない人たちにも読まれた結果だろうと思います。

60分という時間は本当にあっという間で、もっと宇田川さんから色々な話を引き出したかったなーというのもあったけれども、この10年かなり近くにいた僕でさえも知らないことが色々あって、対談者本人がおもしろく聞いていたというのもありました。イベント終了後は10人ほどで打ち上げ(なんと「酔の助」は満員で入れず)、二軒目にも。気付けば終電。帰宅後は仕事とこのイベントの準備で慌ただしかったのでよく眠れました。まだ原稿が残っているのですが。

2月5日(金)古書会館は書窓会

早朝から仕事をサクサクと済ませて10時過ぎに神保町は古書会館着。書窓会でした。戦前の雑誌を、というかほとんど戦前のものしか買わないが、数冊購入。お昼には事務所に戻ってまた仕事。そしてまた神保町に出る。今度は打ち合わせ。一時間ほどで終わったので田村書店を覗いてから(ご主人の姿は見えなかった)、また古書会館へ……。補充がしてあったので数冊購入。近くにいた友人と合流してお茶と食事をして帰宅した。秋葉原は来る度に子供のころに来た時とまったく違う姿に変貌していくので、いつ来ても不思議な気持ち。

装幀の仕事:常盤新平『私の「ニューヨーカー」グラフィティ』

ブログをまめに更新してみようと思いたち、日々のことなど書き連ねていたけれども、読み返してみたら装幀の仕事を一冊もアップしていないという……
ちょうど昨日(18日)受け取った新刊の見本があるので早速アップしてみます。

幻戯書房から近々刊行予定の常盤新平さんの『私の「ニューヨーカー」グラフィティ』です。
昨年末に出た『明日の友を数えれば』に続いての常盤さんの本の装幀となりました。
紙のセレクトであたたかみのある風合いを持たせつつ、シックな雰囲気に仕上げました。

判 型:四六版
製 本:セミハード 角背

カバー:竹あやGA(きなり)マットニス
表 紙:Mag(ミスト)
見返し:Mag(ミスト)
飾り扉:Mag(ミスト)
帯  :エコジャパンR(るり)

花 布:ヘッドバンド93 伊藤信男商店
しおり:しおり30 伊藤信男商店

装幀 :真田幸治

9月17日(火)

夕方に大塚は六花書林へ。
今日はお祝いの集い。ワインバーで美味しい料理を頂きつつ、お酒を堪能(強くはないのですが)。いつもより少しだけ気兼ねなく煙草を味わいながら。疲れていたのか、二軒目の蕎麦屋でちょっと眠ってしまったけれど。確か二軒目で聞いた「お酌の小話」はかなり気に入ったかも。しかし、大塚は街の大きさの割にとても素敵なお店が多い。

日録9月16日(月)敬老の日


[↑茅ヶ崎市美術館]

前日の湘南新宿ラインの最終で実家は茅ヶ崎へ。
池袋から一本で帰れるのでとても助かる。
今日は台風の中、猫とたわむれたり、
すっかり雨雲もなくなった街を散歩したり。
図書館まで足をのばして、雑誌を読むもすぐに閉館してしまったので
近所にある美術館でやっていた「魯山人の宇宙」を見る。
500円。
閉館時間間際だったので人があまりいない中ゆっくり見れたのはよかった。
二階にあるカフェからは綺麗に富士山のシルエットが。
そういえば池袋の事務所の建物屋上からも天気が良いと時々見れるな、富士山。

夜はお刺身でした。
小さい頃、子どもたちが地引き網をする団地のイベントがあって
シラスをビニール袋一杯に持って帰っていた記憶がある。

日録9月13日(金)

金曜日なので朝から神保町へ。開場したばかりの古書会館地下へ降りる。今日の古書即売会は趣味の古書展。
目的の古書店の棚は相変わらずの大盛況だ。資料として集めている雑誌などを十数冊ほど購入したので宅急便で送ってもらう。持ちかえることも考えたけれども、疲れて仕事ができなくなってもね……。

会場を出て打ち合わせを済ませてから事務所へ戻って仕事へ。
届いていたメールを見たら、見本があがってきたとのこと。
寄って受け取ってくればよかった。

ベイスターズの試合は無かった。

明日から世の中は三連休。茅ヶ崎へ戻る月曜日を除いて仕事の予定。

『活字の世紀 白井赫太郎と精興社の百年』

創立100周年を迎えた精興社の記念出版である田澤拓也『活字の世紀 白井赫太郎と精興社の百年』を頂いた。
装幀は精興社出身の装幀家、桂川潤氏。カバーの紙はリ・シマメ、それにタイトルはつや消しの金箔。カバー表の三島正氏による写真は、精興社書体がおさまった活字ケースが収納されたケース架(ウマ)。落ち着いた、とても品のある装幀。カバー裏はどうも奥付の組み版のように見えるけれども、じっと見てみたが残念ながら読めず。
100周年を社史という形にこだわらず、小説という形で区切りをつけるのも面白い。
あとがきで紹介されている精興社の本のうち『白井赫太郎の思い出』『山田一雄の思い出』『白井倉之助の思い出』『青木勇の思い出』は持っているが(精興社に興味を持って関連書を探して読んでいた時期があるので)、『白井イチ 思い出の記』は知らなかった。いつか手にとってみたい。

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日録9月11日(水)

郵便が届く。戦前の雑誌の創刊号。
小村雪岱の作品が載っている雑誌なのだけれども帯付きなんて初めて見た。
残念ながら帯の絵は雪岱ではなく吉田貫三郎。

たまっている書類の整理。
フォントの年契約の書類がでてくる……

本文仕事。

ベイスターズ、ジャイアンツ相手に8回表ノーアウト満塁で荒波、後藤、金城が凡退。
2×1で負けた。
中継ぎががんばった。
あと一本がでないのが強いチームとの差か。

夜は近所のラーメン屋と謳っている飲み屋へ。
おまけのおかずが三皿もでてきた。豆腐、キムチ、めかぶ。
年輩の常連さんが東京オリンピックまで生きるぞと話していた。